近年、運転免許取得にかかる費用が年々高騰しており、かつては「若者の車離れ」が叫ばれましたが、近年ではむしろ「免許取得離れ」の傾向も見え隠れしています。地域によっては生活に欠かせない運転免許ですが、一体なぜこれほどまでに免許取得費用は高騰しているのでしょうか?本記事では、その背景にある要因を徹底的に解説するとともに、費用を抑えて免許を取得するための対策についてお伝えします。
まず、現在の免許取得費用がどの程度なのか、具体的な数字を見てみましょう。
■普通自動車免許(AT限定): 一般的な自動車教習所の場合、30万円~35万円程度が相場です。合宿免許の場合は、22万円~26万円程度で取得できる場合もあります。
■普通自動車免許(MT): AT限定よりも2万円~3万円程度高くなる傾向があります。
■二輪免許: 普通二輪免許で10万円~15万円程度、大型二輪免許で20万円~30万円程度が相場です。
これらの費用には入学金、教習料金、教材費などが含まれます。検定料などは別途料金になっている場合が多く、追加の教習が必要になった場合はさらに費用がかさむことになります。
では、なぜ免許取得費用は高騰しているのでしょうか?主な要因としては、以下の点が挙げられます。
■人件費の高騰: 少子高齢化に伴う労働力不足により、教習指導員の人件費が高騰しています。また、教習指導員になるための資格取得が必要なことから人材確保が困難になっていることも要因の一つです。
■燃料費の高騰: 教習で使用する自動車の燃料費が高騰しています。特にガソリン価格の高騰は、教習所の運営コストに大きな影響を与えています。
■安全対策の強化:安全対策の強化に伴い、教習所で使用する設備の更新や維持にも費用がかかります。
■教習内容の高度化: 道路交通法の改正や、安全運転に関する知識・技能の高度化に伴い、教習内容が複雑化しています。これにより、人件費や設備費用も高くなっています。
また2025年4月に道路交通法が改正され、MT車の免許を取得したい場合は、一度AT車限定免許を取得し、その後「AT限定解除」という形でMT車の教習と技能審査を改めて受ける形に変更となります。その分受講料が上乗せされるようになるので費用がさらにかかることとなります。
※教習所によって対応が異なる場合もあります。
免許取得費用の内訳の一例を知ることで、どの部分にどれくらいの費用がかかっているのか現状を把握することができます。
■教習料金: 最近では入学金、学科教習、技能教習、教材費、検定料などが一括りになっている場合が多く、25万円~30万円程度が相場です。(合宿免許の場合は宿泊費も含めて22~26万程度が相場)
■仮免:受験料1,800円 交付手数料1,100円
■本免:受験料1,750円 免許証交付料2,050円
※上記はあくまで一例であり、教習所によって教習料金の内訳(料金プラン)が異なります。
では、免許取得費用を少しでも抑えるためにはどのような対策があるのでしょうか?
■合宿免許を利用する: 合宿免許は短期間で集中的に教習を受けるため、通学免許よりも費用が安くなる傾向があります。
■閑散期に申し込む: 教習所には閑散期と繁忙期があります。閑散期(10月~12月、4月~6月)は、教習料金が安く傾向があります。
■技能教習の予約を計画的に行う: 技能教習の予約が埋まってしまうと、追加の教習が必要になることがあります。計画的に予約を行い、追加料金が発生しないようにしましょう。
■各試験に一発合格する:仮免試験、卒業検定、本免試験などは落ちてしまうと再度受験するのに追加費用がかかるので、特に学科はしっかりと復習することで一発合格を目指しましょう。
■各種割引制度を利用する: 教習所によっては学生割引や紹介割引などの各種割引制度があります。これらの制度を利用することで、費用を抑えることができます。
■教育訓練給付金制度の利用を検討する: 一部の教習所では、厚生労働省の教育訓練給付金制度を利用することができます。この制度を利用することで、教習料金の一部が支給されます。
■ローンや分割払いを活用する: 教習所によってはローンや分割払いが利用できる場合があります。これらの制度を利用することで、まとまったお金がなくても免許を取得することができます。
今後、免許取得費用はさらに高騰する可能性が高いと考えられます。少子高齢化に伴う人件費の高騰や、燃料費の高騰、安全対策の強化など、費用を押し上げる要因は依然として残っています。
しかし上でも述べたように、上手く制度を活用したり時期を選んだりすることで取得費用を抑えることは可能です。特に合宿免許は教習料金だけでなく、宿泊費や食費、交通費などが含まれている場合が多く、トータルコストを抑えることができます。
閑散期に合宿免許を利用すれば、さらに費用を抑えることが可能ですし、各種割引制度やキャンペーンを実施している場合もあります。例えば多くの教習所では、早めに申し込むことで割引が適用される「早期申込割引」を実施しています。特に、繁忙期(春休み、夏休み、冬休み)は、早期に満員になる可能性が高いため、早めに申し込むことで割引を受けられるだけでなく、希望の教習所や日程を確保できるメリットもあります。
また友達や家族と一緒に申し込むことで割引が適用される「グループ割引」を実施している教習所もあります。複数人で申し込むことで、一人当たりの料金をさらに抑えることができます。キャリタス合宿免許でもお得なキャンペーンを実施中ですので、是非参考にしてください。
一方で、自動運転技術の進化や、若者の車離れなど、免許取得を取り巻く環境も変化しています。これらの変化が、今後の免許取得費用にどのような影響を与えるのか、注目していく必要があります。
運転免許取得費用は、様々な要因により今後も高騰してゆくかもしれません。費用を抑えて免許を取得するためには、合宿免許の利用や、閑散期の申し込み、各種割引制度の利用など、様々な対策を検討する必要があります。
今後の取得費用の動向にも注目し、自分にとって最適な取得方法を選択することが重要です。